隴を得て蜀を望む(ことわざ)の由来

読み方:ろうをえてしょくをのぞむ

日本のことわざや成句の中には、中国の歴史や文化を背景として持つものが多いです。「隴を得て蜀を望む」ということわざもその一つ。この成句は、多くの日本人が使うが、その由来や背後に隠された意味を知る人は少ないでしょう。今回は、このことわざの深い歴史や背景、そして現代への適用について解説していきます。

「隴を得て蜀を望む」とはどんな意味?

とは中国の陸地、は四川省の古名を指します。このことわざは、一つのものを手に入れたら次のものを求めるという人の欲望や飽くなき追求心を表現するためのものです。

ことわざの歴史的背景

このことわざがどのような歴史的背景を持っているのか、その起源となった出来事を以下で探ります。

三国志の時代

このことわざの起源は、中国の三国志時代に遡ります。当時、中国は魏、蜀、呉の三つの国に分かれており、各国が争っていました。

劉備の野望

劉備は蜀の王として、四川盆地を支配していました。彼はさらなる領土拡大を望み、隴西の地を目指して遠征を繰り返しました。彼のこの行動が、後の世に「隴を得て蜀を望む」ということわざとして伝えられることになりました。

現代における「隴を得て蜀を望む」の適用

この古いことわざが、現代にどのような形で使われているのか、その具体的な例を考察します。

ビジネスの現場での使用

現代のビジネスの世界では、企業や個人が一つの成功を収めると、次の成功や目標に向かって突き進む姿勢が求められます。この絶え間ない追求心や欲望を表現する際に「隴を得て蜀を望む」ということわざが引用されることがあります。

日常生活での使用

私たちの日常生活においても、新しいものや次のステップを求める欲望は常に存在します。このような心情や状況を説明するために、このことわざが用いられることがあります。

「隴を得て蜀を望む」の真髄

このことわざは、単に欲望や追求心を表現するだけではなく、人間の心の奥深さや複雑さをも感じさせます。どんなに得たとしても、次に何を求めるのか、そしてそれは本当に自分が求めているものなのかという自己省察を促す言葉でもあります。

まとめ

「隴を得て蜀を望む」は、遠い過去の中国の歴史から生まれたことわざですが、その背後には普遍的な人間の欲望や追求心が反映されています。この言葉を知ることで、現代の日常生活やビジネスの中でも、私たち自身の行動や思考をより深く理解する手助けとなるでしょう。